なにはさておき最初に、主人公のキャラクターを考える。
マンガ原作の書き方
どういう順番で考えるか?
「まず、魅力的なキャラクターを作る。そして、彼を徹底的に困らせる。」
マンガの場合、最初に考えるのは主人公のキャラクターです。
さらに言えば、ストーリーでもなく、起、承、転、結といった構成ではないのです。まず主人公のキャラクターを徹底的におもしろいものを考える。
「ゴルゴ13」という超一流のスナイパーの場合、仕事の依頼は他のスナイパーでは到底できないほど困難な依頼ばかり。3キロ先の動く標的、刑務所に入った標的、厳重に警備された要人、屈強なボディーガードに守られた組織のボス……。
「今回は、無理だろう。どうするんだろう」というハードな依頼内容に、読者はついハラハラ、ドキドキと感情移入させられる。ゴルゴがピンチになればなるほどストーリーは盛り上がりますね。
しかし、毎回ゴルゴは、超絶的な射撃テクニックだけではなく、敵の裏をかく発想、途轍もない忍耐力とタフな精神力と状況判断力でピンチを切り抜ける。
ゴルゴは問題を乗り越えるために、どんな行動をとるのか?どうやってゴルゴらしいスゴイやり方で問題を跳ね返すのか。
これこそが
「キャラクターの歩いた足あとが、ストーリーになる」
というマンガ創作でよく語られる創作法なのだと言うこと。
マンガ家とは限りませんが、よく作家が
「頭の中でキャラクターが動きだす。」
というのは
強烈なキャラクターをもった主人公だからできるできること。
そのために、
「主人公=キャラクターの履歴書をつくる」
もちろん架空のものですが、詳細な履歴書を作ることで徹底的にキャラクターを作り込んでおくといいようです。みんな、ちょっとした思いつきの1行2行でキャラを設定したつもりになっているけれど、ほとんどの場合それだけでは全然足りないのです。
A4ペラ1枚程度の簡単なメモ書きなどではなく、生まれてからこれまで、どこでどういうふうに生きてきたか、を詳細に設定するのです。本物の履歴書、経歴書よりももっと詳しい。主人公の履歴書。思いついたらエピソードも盛り込んでしまいましょう。
ここで、作り込んでいけばいくほど、書きやすくなります。これはホントの話。だまされたと思ってやった方が良い。この段階で友達などに感想を聞いてみるのも良いでしょう。早く実際のプロットや物語を組み立ていきたいと思うでしょうが、ここでしっかり、強烈なキャラクターが設定できれば、ストーリーを書くときにスムーズにいきます。
「こういうことがあれば、こう行動する奴だ」
さらには、
「何があってもブレない主人公」を書くために、
「キャラクター管理をしっかりすること」
ストーリーを書き進むうちに、口調や、口癖、行動などが知らず知らすのうちにずれていることがあります。そのためにも、迷ったらキャラの履歴を見直すことです。私も、すでに履歴書を考える時に設定をしてあったのに、結構そのアイデアを忘れていることがあったりで面倒がらずにやることですね。
と、いろいろ書きましたが
「ストーリーを書く前に
キャラクターを作りこんでおくこと」
この順番が大切なのです。
いいエンディングを考えたからといって、そこからストーリーを考えて、そのあとでキャラクターを考えていったりする、一見、それでも良さそうですが、なぜか特に私のようなヒヨッコには話が広がりません。筆が止まります。やはり、「まずキャラクターを作りこと」この手順をしっかりと身にしみこませようと思います。